私は株の特定口座を保有していますが、損失があったり利益があったりと、保有口座ごとにバラバラです。
源泉徴収ありの特定口座の場合は勝手に税金分が天引きされるので、基本的には確定申告は必要ありませんが、あえて確定申告をすると損益の相殺や繰越ができます!
今回は株の損失を確定申告するメリット等を詳しく調べてみようと思います。
特定口座でも確定申告するべき人
株には、複数の口座の損益を相殺できる制度があり、それを損益通算と言います。
例えば証券会社Aでは利益100万円。証券会社Bでは損失60万円だった場合、特定口座だと100万円に対して税金が天引きされてしまいます。
そこで、確定申告を行えば100万円 – 60万円 = 40万円となり、本来は40万円に対する税金になるので、還付されるというわけです。
株の複数口座の損益をまとめる
特定口座でも複数の口座を保有していて、どれか一箇所でも損失がある場合には確定申告をした方がお得だという事になります。
もしも特定口座(源泉徴収あり)を一箇所に集約している場合には、自動で損益通算されているので確定申告をするメリットは少なくなります。
株の損益は繰越できる
一年単位で相殺するのが損益通算の考えでしたが、損失は翌年以降にも繰越する事ができます。最大で3年間の繰越が可能ですが、毎年確定申告が必要になります。
2016年に損失が500万円で2017年に200万円の利益が出ても税金は0円です。3年を超える2020年には繰越残高があっても無効になるので注意が必要ですね!
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
譲渡損益 | -500万円 | +200万円 | +100万円 | +100万円 | +100万円 |
繰越残高 | 500万円 | 300万円 | 200万円 | 100万円 | 0円 |
税金 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 100万円×20% |
株で損失が出た場合には確定申告をしておけば、翌年以降の利益と相殺できるので大きな節税対策になりますね。
損益繰越のデメリットと注意点
ただし、特定口座(源泉徴収あり)の口座での譲渡益と繰越損失を通算する時は一点だけ注意が必要です。
通算する前の譲渡益をその年の合計所得に加えて計算する必要が出てきます。所得に加えるこうとで他の控除から外れる可能性が出て来る人もいるので、どちらが良いかをきちんと見定める必要がありますね。
所得が増える事での注意点は健康保険料が上がったり、配偶者控除や扶養控除の判定の際に不利になる場合もあります。
損益の繰越は途中でやめられる
特定口座の確定申告を一度行うと、次年以降も必ず行う必要があるわけではありません。自己判断で申告を行うか決める事ができます。ただし、損失の繰越は無効になります。
損失の制度にメリットが感じられなくなったら、株の確定申告はしないという選択をすることも可能です。
損失が続いてしまうかもしれない状況では、確定申告を行っておき、利益がきちんとでて損失を上回った時には確定申告をやめるという手段もひとつの方法です。
特定口座を一部だけ確定申告する!
特定口座(源泉あり)ならば原則、確定申告は不要ですが、行っても良いというのはわかりました。
つまりA社・B社・C社と証券会社の口座を持っていて、その全てが特定口座だった場合、自分に都合のよい口座だけを確定申告することができるのです。
例えば自分が誰かの扶養になっているケースでは、総所得38万円を超えないように帳尻を合わせて、さらにマイナスの口座を確定申告することで還付をもらえるというわけですね。
扶養などの心配がなければ、利益の出た口座とマイナスの口座を同時に確定申告すれば、マイナス口座の分、利益が引かれてその分の源泉徴収された税金が戻ってくるというわけです。
まとめ
2013年までは源泉徴収税率は10.147%でしたが、2014年から源泉徴収税率が20.315%に上がりました。
今までは株の損益を確定申告してもメリットが少なかった人でも、きちんと計算すると大きく得ができる事も増えています。
損失が出た時には「確定申告するとどれだけ得できるのか」という計算をしておきたいですね!
アイラブフリーランス!