マンションの修繕積立金をきちんと把握していますか?新築時には緩めに設定してあることがほとんどですし、中古の場合にも迫ってくる大規模修繕のことをきちんと把握しておかないと思わぬ落とし穴があるかもしれません。
再確認の為にもう一度今払っている修繕積立金が適正か確認してみましょう!そして修繕積立金が足りる場合と足りない場合でどうしたら良いのかの検討も行っていきましょう。
修繕積立金の目安
対象のマンションによって異なる適正額となるため「いくらが妥当だ!」と言い切るのがとても難しいのですが、国土交通省が発表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では以下のようになっています。
【専有面積1㎡あたりの修繕積立金の月額】
階数 | 延床面積 | 平均値 | 事例の3分の2が含まれる幅 |
---|---|---|---|
15階未満 | 5千㎡未満 | 218円 | 165円~250円 |
5千㎡以上1万㎡未満 | 202円 | 140円~265円 | |
1万㎡以上 | 178円 | 135円~220円 | |
20階以上 | 206円 | 170円~245円 |
あくまで平均値のお話であって、環境や設備で当てはまらないケースも多々あると思います。かなり大まかな目安では、大規模修繕の直前に一戸あたり100万円程度の積立金があることが望ましいとされています。30戸のマンションだと3000万円が一つの目安というわけです。
修繕積立金が足りないケース
国土交通省のデータによると修繕積立金で工事費が全て収まったケースは60%程度と言われています。足りない分は一時徴収金や金融機関からの借入金に頼ることになっています。
一時徴収金では区分所有者の全員が賛成することは難しく、問題になるケースも多いです。金融機関からの借入でその場を凌いでも、その後の積立金は返済に充てるので、次の大規模修繕のタイミングではさらに不足するという悪循環に陥ってしまいます。
このケースから見ると、区分所有者の修繕積立金が少なすぎることで生じる問題となっています。
中古マンションの注意点
修繕積立金で見ていくと、売主が管理費や修繕積立金を滞納しているままで中古マンションを購入すれば、買主がその支払いの義務を引継ぐということになってしまいます。また、これまでの大規模修繕の履歴や今後の予定と財務状況も把握しておくことを忘れず確認しましょう。
「マンション総合調査」では、管理費・修繕積立金の3ヶ月以上の滞納をしている居住者がいるマンションは40%近くいることも事実です。
もしもそういった居住者がいる場合にはどういった処置をしているかという管理組合の姿勢も見ておきましょう。
管理費の見直し
見落としがちなのが、高額な管理費です。マンションの統計を見てもほとんどの場合「管理費を払いすぎていて、修繕積立金が足りない状態」になっています。
過去に一度も管理の見直しが行われていないマンションの場合は、30%近く管理費を下げる事も可能だとされています。そして、その削減分を修繕積立金に回せば修繕積立金が足りないという状況を回避できる事もあります。
管理会社は競争原理がほとんど働いていないんで、高額な管理費を言われるまま支払ってしまっているマンションが沢山あります。組合員の総会で早い段階で問題提起してみるのも良いと思います。
まとめ
表面的な部分だけ目に入ってしまうマンション購入ですが、修繕積立金のような後々やてくる大きな出費に、どのような計画がされているかという内情の把握もとても重要です。
新築でも修繕積立金の計画をまったく行っていないケースもあるようです。言われないから知らなかったというわけにはいきませんので、こういった部分にも目を光らせておきましょう。
フリーランスで事務所兼住居でマンションを購入する方も知っていて損はありませんね。
アイラブフリーランス!