個人事業主・フリーランスが家を買う時、自宅兼事務所として家を買うという場合も多いと思います。そんな時に、マンション購入時の住宅ローンの仕訳や経費について疑問点は多いと思います。
仕訳が必要になる持ち家購入時と住宅ローン返済時の仕訳に分けてそれぞれの仕訳方法を確認しておきましょう。
今回は自宅兼事務所のマンションを購入したケースを例に勘定科目等をおさらいします。
マンション購入の仕訳例
土地:1000万
建物:1500万
頭金現金:200万
住宅ローン借り入れ:2300万
土地と建物、頭金や借入金を元に、実際に仕訳する場合はどうなるかを見てみましょう。
土地 1000万円 借入金 1000万円
建物 1300万円 借入金 1300万円
建物 200万円 事業主借 200万円
この仕訳を行うと青色申告の貸借対照表の資産(建物・土地)に計上されます。
土地の資産は保有している間毎年同じ金額になります。建物の資産は期末に減価償却の未償却残高が入ります。
そして、貸借対照表の負債(借入金)期末には住宅ローン残高が入ります。
住宅ローン返済時の仕訳例
毎月10万円を返済する場合を例に仕訳方法を見てみましょう。
借入金 4万円 預金 4万円
支払利息 6万円 預金 6万円
個人口座で処理する場合の例
借入金 4万円 事業主借 4万円
支払利息 6万円 事業主借 6万円
按分は自宅兼用の場合に必要な処理です!支払利息を按分して事業主貸として年末決算で一括処理します。
自宅兼事務所の経費は按分
フリーランスや個人事業主の方は自宅を仕事場にしているケースも多いと思います。その場合、経費は全てプライベートと分離しなければなりません。その割合の処理を按分と言います。
では、自宅兼事務所としての住宅ローンは按分できるのでしょうか?
住宅ローンの利息分を経費にする
自宅兼事務所のマンションなどの住宅ローンでは、利息部分を経費にできます。
しかし、利息部分も事業割合だけが経費と認められますので、しっかり按分処理が必要になります。
基本的には専有面積で按分割合を求める方法が一般的とされています。
住宅ローンは自宅も入っていると個人用の口座から引き落とされる場合も多いと思いますが、そんな時には、利子割引料○○○円 / 事業主借○○○円として按分された金額で処理していくこともできますね。
住宅ローン元本は経費ではない!
勘違いしやすい部分として、長期借入金である住宅ローン元本は経費になりません!これはただの返済です。
減価償却や支払利息について事業分割合で按分していく事になります。もちろん100%事務所なら按分など必要はありませんが、今回のように、事務所兼自宅の場合には按分で経費に算入していきます。
住宅ローンの金利は常に変わる
自営業にとって住宅ローンという固定費は、返済状況によっても家計に大きく関わる部分になってきます。例えば、借り入れ時よりも金利が0.3%以上下がっている場合にはすでに借り換えのメリットが生まれると言われていますので、借り換えのシミュレーションは常に行っておきたい所です。
自営業の住宅ローン借り換えの審査はやはり難しい傾向がありますが、「住宅ローン一括比較」などの利用によって負担の極端に軽減されたシミュレーションが無料でその場で見ることもできます。
金利部分が経費になるので、金利が低ければ経費は減りますが、それ以上に固定費が大幅に下がるので、5年間住宅ローンを比較していないという場合にはまずはチェックする事をおすすめします。
まとめ
今回は自宅兼事務所の購入時の仕訳と、住宅ローン返済の仕訳の記帳方法や勘定科目についてのおさらいでした。
マンションを購入する時も、ここが寝室でここが仕事部屋で。。。という発想で購入すると思います。その中で税金の考え方は、きちんとした事業割合を出さなければいけません。購入時から意識しておくことで合理的な按分を行えます。
少し勘違いしがちなのは、フリーランスや個人事業主になると、プライベートの自分と事業の自分のお財布を分けて考えることがどうしても必要になってきますよね。
その為、住宅ローンの返済を事業用口座か個人用口座かで迷ってしまうと思いますが、仕訳の方法が少し変わるだけなので、どちらでも都合の良い口座で問題ありません。
自営業は不安定な一面もあるので住宅ローンの相場を常に知っておいた方良いです。現在の住宅ローンとの比較で得をするタイミングで「住宅ローン一括比較」をする事でローン合計金額に数百万円の差がひらく事も珍しくありません。
アイラブフリーランス!