住む場所の決め方は「年収」にも影響するという重要なお話

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photo credit: nevil zaveri via photopin cc

色々なメディアで話題の「年収は住むところで決まる」というお話。
その理論の火付け役は
年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学
という本を執筆した経済学者。

まずは事実として「ある都市にイノベーション業界の人が1人やってくるとサービス業界の雇用が5件増える」ということが判明しています。
そして要点だけ言うならば、「あなたのスキルが高まるよりも、どこに住んでいるかのほうが給料が左右される」というちょっと悲しい事実も紐解かれています。
では、住むところがどれだけ重要なのか見ていきましょう。

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それって逆じゃないの?

年収が高いから良い場所に住むわけで、住む場所で年収が変わるとは思えないという意見も多いのではないでしょうか?
しかしこの本を読んでいて様々なデータを見ていると、納得をしてしまうような興味深いデータが多いです。
その中の一つに「都市を発展順でランク付けした場合、上位の都市に住む高卒者は、下位の都市に住む大卒者よりも年収が高い」というデータがあります。
これが事実であれば、学歴に磨きを掛けるのではなく、住む場所を変えるだけで年収が上がるということになります。

例えばどんな場所?

冒頭でもご紹介したように、イノベーション業界の1人が住むことで生まれる5人の雇用という例で見ていきます。

アップルがクパティーノ本社で雇用しているのは1万2000人だが、その雇用はさらなる6万人以上の雇用(アップルの訴訟を扱う弁護士、社員の健康を守る医師、住宅の修理人など)を地域にもたらしている

これは、IT革命によって雇用が失われるという議論に終止符を打っているような見解ですね。ピンポイントで見るとハイテク産業の進化は人間を必要としなくなる傾向にありますが、その減った雇用以上に新たな雇用を生み出しているということになります。
ここでイノベーション業界を的にしているのは、他の産業に比べてもっとも顕著に雇用を生み出す産業であるからです。

イノベーション産業とは?

そもそもイノベーション産業とは一体どんな産業なのでしょうか?
イノベーションとは、技術革新を指す言葉です。世の中が便利になるのはイノベーション産業のおかげだと言えますね。
近い未来に自動車が自動運転になるかもしれません。ロボットがロボットを設計する日がくるかもしれません。
もちろんハイテクな分野だけでなく、汗をかきにくい生地の開発だって全てイノベーション産業と言えます。

こういった産業はなぜか近隣に集まる傾向があり「○○の町」といった密集現象が起きます。
さらに、給料が高い傾向からその土地のサービス業を潤わせる効果を持っています。学びごとや娯楽施設などの利用にも惜しみなく消費できる水準といえます。

まとめ

紹介したポイントはごく一部であり、この本の分析はかなり深い部分にまで切り込んでいます。地域格差と呼ばれる問題では、イノベーション産業が大きく影響していたり、平均寿命にまで影響しているという事実も紹介されています。
年収という興味を引くタイトルを抜きに考えても、経済の流れや雇用の生まれ方、イノベーションの生み出すさらなる価値といった学ぶポイントが多かった一冊です。
これを読んで生き方が変わる人も多いのではないでしょうか?
私は今まで「ロボットにもできる仕事はいずれ消えていく」と思っていましたが、とんでもない。「そのロボットを作る地域の雇用は5倍にもなる」という事実に衝撃を覚えました。

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